特別養護老人ホーム(特養)の費用はいくら?減免制度や非課税世帯の負担限度額などわかりやすく解説

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特養の費用負担を軽くする制度

特別養護老人ホーム(特養)の費用は、入居費用が不要で、月額費用10万円弱~15万円程度です。ただし、上記はあくまでも目安になり、要介護度や居室タイプ、所得状況によっても異なります。本記事では、特養の費用面について網羅的に解説します。状況別のシミュレーションのほか、非課税世帯の負担限度額、減免制度も解説。予算に合わせた介護施設を探すヒントとして、本記事をご活用ください。

特別養護老人ホーム(特養)の費用はいくら?

特養の入居費用は無料で、月額費用の目安はおよそ10万円弱〜15万円程度です。公的施設のため、民間の有料老人ホームと比べると月々の費用負担を抑えられます。

ただし上記の金額はあくまでも目安となり、要介護度や居室のタイプ、収入状況によって実際の支払額は大きく変動します。

条件次第で、目安額より安くなるケースもあれば、上回るケースも少なくありません。

特養の月額費用の例

要介護3 ユニット型施設入所の月額費用(例)
施設介護サービス費 24,450円

総額:

140,547円

介護サービス加算 1,567円
居住費 60,180円
食費 43,350円
日常生活費 11,000円

※日常生活費、サービス加算の金額は一例です。

※2024年4月更新

特別養護老人ホーム(特養)の費用内訳

・施設介護サービス費
・介護サービス加算
・居住費
・食費
・日常生活費

特別養護老人ホームでは、負担は入居後の月額費用のみであり、入居一時金などの初期費用は必要ありません。月額費用には、上記の項目が含まれます。それぞれの費用項目について以下の通りです。

施設介護サービス費

介護度・居室別自己負担額(30日間)
居室タイプ 多床室
/従来型個室
ユニット型個室
/ユニット型準個室
要介護1 17,670円 20,100円
要介護2 19,770円 22,200円
要介護3 21,960円 24,450円
要介護4 24,060円 26,580円
要介護5 26,130円 28,650円

※特養の入居条件は要介護3以上ですが、要介護1、2も特例での入居が認められているため、要介護1より記載しています。
※ユニット型準個室は、ユニット型個室で個室同士が仕切りで分かれており壁になっていないタイプを指します。

※居室タイプについて
多床室・・・複数人で1室を利用するタイプ
従来型個室・・・1室を1名で利用するタイプ
ユニット型個室・・・1名1室のうえ、ユニット(10名前後)単位で共同スペースが設置されているタイプ

※2024年4月更新

特養の居室タイプについて詳しく見る

施設介護サービス費は介護を受けるための費用です。サービス費は要介護度などによって異なり、要介護度が高くなるほど、高額に設定されています。また、居室のタイプによっても異なっています。

介護サービス加算

主な介護サービス加算
初期加算 入所後30日まで加算
サービス提供体制強化加算 介護福祉士の配置割合や勤続年数に応じて加算
看護体制加算 看護師の人数や体制による加算
介護職員処遇改善加算 介護職員の処遇を改善するための加算
外泊時費用 外泊する場合に加算(1か月に6日を限度)

施設の設備や職員の体制、施設で対応する処置やサービスなどに応じて基本料に加算される施設介護サービス費のことです。

施設によって加算徴収内容は異なりますが、加算が多いほど手厚い人員配置やサービスを行っていると考えてもよいでしょう。

居住費

いわゆる「家賃」に相当する費用です。有料老人ホームにおいては、ベッドや家具などを自分で用意しなくてはなりませんが、特養はあらかじめ備品として用意されているのが特徴です。

食費

食費は1日3食分が含まれているため、「外出及び外泊によって昼食のみ停止した」などの場合でも1日分とみなされて請求されます。

ただし、外泊や入院などにより、数日施設に戻らない場合は食事を止めることができ、欠食分は請求されません。

日常生活費

医療費、理美容、被服費、入場料などが発生するレクリエーション費、嗜好品などは自己負担になります。

ただし、クリーニングを必要としない私物の洗濯や、おむつ代(尿取りパッドなども含む)は施設の負担となります。

【介護度・居室タイプ別】特別養護老人ホーム(特養)の費用シミュレーション

以下より、介護度、居室タイプ別に月々に支払う金額の目安をご紹介します。介護サービス加算は施設や入居者の方の状態により変動するため、この表では省略しています。

※特養の入居条件は要介護3以上ですが、要介護1、2も特例での入居が認められているため、要介護1より記載しています。

※利用者負担第4段階(住民税課税世帯)、30日間(1ヶ月)と仮定して計算

多床室の場合

介護度 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
施設介護サービス費 17,670円 19,770円 21,960円 24,060円 26,130円
居住費 25,650円
食費 43,350円
日常生活費 11,000円
合計 97,670円 99,770円 101,960円 104,060円 106,130円

従来型個室の場合

介護度 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
施設介護サービス費 17,670円 19,770円 21,960円 24,060円 26,130円
居住費 35,130円
食費 43,350円
日常生活費 11,000円
合計 107,150円 109,250円 111,440円 113,540円 115,610円

ユニット型準個室の場合

介護度 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
施設介護サービス費 20,100円 22,200円 24,450円 26,580円 28,650円
居住費 50,040円
食費 43,350円
日常生活費 11,000円
合計 124,490円 126,590円 128,840円 130,970円 133,040円

ユニット型個室の場合

介護度 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
施設介護サービス費 20,100円 22,200円 24,450円 26,580円 28,650円
居住費 60,180円
食費 43,350円
日常生活費 11,000円
合計 134,630円 136,730円 138,980円     141,110円 143,180円

※日常生活費は目安の金額です。

※2024年4月更新

上記の各表は、介護サービスの自己負担が1割だった場合かつ、合計所得金額が160万円以上、単身で年金収入のみの金額です。

年収280万円以上ある場合は、介護サービスの自己負担割合が2割負担に、340万円以上の場合は3割負担となります。

本人および世帯全員が生活保護の対象であったり、収入が少なかったりすれば、居住費や食費は低く設定され、介護サービス費も高額介護サービス費などの補助金が支給されます。

実際の自己負担金額については、入居を希望している施設に確認するのが確実です。

特別養護老人ホーム(特養)の費用負担を軽くする制度

社会福祉法人などによる利用者負担の軽減制度※ 有料老人ホームなどへの入居が困難な低所得者や生活保護受給者も施設入居できるよう、利用者の負担を軽減する
特定入所者介護サービス費(負担限度額認定) 個人の収入や年金に応じて費用負担が軽くなる

※「社会福祉法人等による利用者負担の軽減制度」を実施していない法人もあります。

高齢者保護の機能がある特養には、費用負担を軽減できる上記2つの制度があります。

特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)とは?

所得や資産などが一定以下の場合、負担限度額を超えた分の居住費と食費が介護保険から支給される制度です。

利用者は収入や年金額に応じた利用者負担段階が定められ、段階別に特別養護老人ホームの負担限度額が決定されます。以下に、利用者負担段階別の1ヶ月(30日)の居住費と食費の負担限度額をまとめました。

なお、特定入所者介護サービス費の利用には、事前に市区町村に負担限度額認定を受ける必要があります。希望する場合はお住まいの市区町村窓口に相談してみましょう。

第1段階:生活保護受給者、老齢福祉年金受給者で本人及び世帯全体が市民税非課税

居住費(滞在費)の負担限度額 多床室 0円
従来型個室 11,400円
ユニット型準個室 16,500円
ユニット型個室 26,400円
食費の負担限度額 9,000円

第2段階:本人及び世帯全体が市民税非課税で合計所得金額+課税年金収入額が80万円以下の方

居住費(滞在費)の負担限度額 多床室 12,900円
従来型個室 14,400円
ユニット型準個室 16,500円
ユニット型個室 26,400円
食費の負担限度額 11,700円

第3段階①:本人及び世帯全体が市民税非課税で合計所得金額+課税年金収入額が120万円以下の方

居住費(滞在費)の負担限度額 多床室 12,900円
従来型個室 26,400円
ユニット型準個室 41,100円
ユニット型個室 41,100円
食費の負担限度額 19,500円

第3段階②:本人及び世帯全体が市民税非課税で合計所得金額+課税年金収入額が120万円超の方

居住費(滞在費)の負担限度額 多床室 12,900円
従来型個室 26,400円
ユニット型準個室 41,100円
ユニット型個室 41,100円
食費の負担限度額 40,800円

第4段階住民税課税世帯の方

居住費(滞在費)の負担限度額 多床室 27,450円
従来型個室 36,930円
ユニット型準個室 51,840円
ユニット型個室 61,980円
食費の負担限度額 43,350円

※2024年4月更新

特別養護老人ホーム(特養)に入居できない時はどうする?

特養はリーズナブルな費用や手厚い介護サポートを誇ることから、介護施設の中でも高い人気を誇ります。入居待機者がいる施設も少なくありません。入居待ちは緩和傾向にあるものの、希望施設にすぐに入れない場合、民間の有料老人ホームなどに一時入居するのがおすすめです。

まとめ

特別養護老人ホーム(特養)は、入居一時金が不要で月々の費用負担も抑えられるため、人気の高い施設です。しかし、地域や施設によっては入居待ち期間が長く、必要なタイミングで入居できないケースも少なくありません。希望時期の入居が難しく、在宅介護にも限界を感じている場合、民間の介護施設に一時入居する方法もあるでしょう。近年はリーズナブルな有料老人ホームも増えており、柔軟な施設探しが可能です。

「LIFULL 介護」では、ご予算や要介護度、身体状況に合わせて簡単に施設を検索できます。大切なご家族が穏やかな毎日を送るために、まずはどのような選択肢があるのか、探してみませんか。

特別養護老人ホーム(特養)の費用が減免される「負担限度額認定証(特定入所者介護サービス費)」とは?

イラスト:安里 南美

この記事の制作者

森 裕司

監修者:森 裕司(介護支援専門員、社会福祉士、精神保健福祉士、障がい支援専門員)

株式会社HOPE 代表取締役 
医療ソーシャルワーカーとして10年以上経験した後、介護支援専門員(ケアマネジャー)に転身。介護の相談援助をする傍ら、医療機関でのソーシャルワーカーの教育、医療・介護関連の執筆・監修者としても活動。近年は新規事業やコンテンツ開発のミーティングパートナーとして、企業の医療・介護系アドバイザーとしても活動中。

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